かぜの症状緩和に用いられる漢方薬をまとめました。
登録販売者の試験問題に関する手引き(令和4年3月)からの内容となっています。→試験問題に関する手引き(令和4年3月)厚生労働省
主なものは「葛根湯」「麻黄湯」「小柴胡湯」「柴胡桂枝湯」「小青竜湯」「桂枝湯」「香蘇散」(「半夏厚朴湯」「麦門冬湯」)です。
※半夏厚朴湯、麦門冬湯についてはここでの紹介はありません。
なかなか覚えにくい漢方薬を視覚的に覚えていきましょう!
1 葛根湯
体力中等度以上のものの感冒の初期(汗をかいていないもの)、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛みに適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人では、悪心、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
まれに重篤な副作用として肝機能障害、偽アルドステロン症を生じることが知られている。
試験問題の作成に関する手引き(令和4年3月)より
2 麻黄湯
体力充実して、かぜのひきはじめで、寒気がして発熱、頭痛があり、咳が出て身体のふしぶしが痛く汗が出ていないものの感冒、鼻かぜ、気管支炎、鼻づまりに適すとされるが、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人では、悪心、胃部不快感、発汗過多、全身脱力感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
漢方処方製剤としての麻黄湯では、マオウの含有量が多くなるため、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)は使用を避ける必要がある。
試験問題の作成に関する手引き(令和4年3月)より
3 小柴胡湯
4 柴胡桂枝湯
小柴胡湯は、体力中等度で、ときに脇腹(腹)からみぞおちあたりにかけて苦しく、食欲不振や口の苦味があり、舌に白苔がつくものの食欲不振、吐きけ、胃炎、胃痛、胃腸虚弱、疲労感、かぜの後期の諸症状に適すとされ、また、胃腸虚弱、胃炎のような消化器症状にも用いられるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)には不向きとされる。
柴胡桂枝湯は、体力中等度又はやや虚弱で、多くは腹痛を伴い、ときに微熱・寒気・頭痛・吐きけなどのあるものの胃腸炎、かぜの中期から後期の症状に適すとされる。
小柴胡湯、柴胡桂枝湯とも、まれに重篤な副作用として間質性肺炎、肝機能障害を生じることが知られており、その他の副作用として、膀胱炎様症状(頻尿、排尿痛、血尿、残尿感)が現れることもある。小柴胡湯については、インターフェロン製剤で治療を受けている人では、間質性肺炎の副作用が現れるおそれが高まるため、使用を避ける必要がある。また、肝臓病自体が、間質性肺炎を起こす要因のひとつとされており、肝臓病の診断を受けた人では、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談するなどの対応が必要である。
試験問題の作成に関する手引き(令和4年3月)より
5 小青竜湯
体力中等度又はやや虚弱で、うすい水様の痰を伴う咳や鼻水が出るものの気管支炎、気管支喘息、鼻炎、アレルギー性鼻炎、むくみ、感冒、花粉症に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人では、悪心、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
まれに重篤な副作用として、肝機能障害、間質性肺炎、偽アルドステロン症を生じることが知られている。
試験問題の作成に関する手引き(令和4年3月)より
6 桂枝湯
桂枝湯は、体力虚弱で、汗が出るもののかぜの初期に適すとされる。
試験問題の作成に関する手引き(令和4年3月)より
7 香蘇散
香蘇散は、体力虚弱で、神経過敏で気分がすぐれず胃腸の弱いもののかぜの初期、血の道症に適すとされる。
※血の道症…月経、妊娠、出産、産後、更年期など女性のホルモン変動に伴って現れる精神不安やいらだちなどの精神神経症状及び身体症状。
試験問題の作成に関する手引き(令和4年3月)より
早見表
かぜの漢方薬はかぜの初期、中期、後期のどの時期に適しているものかを覚えましょう。
また葛根湯、麻黄湯、小青竜湯はマオウを含むこともポイントです。
※個人の学習にご活用ください。
転載、商用利用はお控えいただきますようお願いいたします。
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